ホンダX-ADVの購入を検討しているものの、「X-ADVは後悔する」という声や、一部でささやかれる不人気でダサい、あるいは乗るとつまらないといった評判が気になって、一歩を踏み出せないでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、車体が大きくすり抜けが難しいのではないかという欠点や、フルパワーで発揮される最高速度といった性能面についても、購入前にはっきりとさせておきたいところです。
この記事では、そうした疑問や不安に一つひとつお答えし、X-ADVが本当にあなたに合う一台なのかを判断するための客観的な情報を提供します。

この記事では以下のことがわかります。
- X-ADV購入で後悔しがちな具体的な欠点
- ネガティブな評判を覆す独自の魅力と性能
- ライバル車との客観的な比較と立ち位置
- 自分に合ったバイクか見極めるためのポイント
X-ADVで後悔?購入前の懸念点を整理


- X-ADVの購入後に気づく欠点
- 不人気でダサいと言われる理由
- 乗るとつまらないという評価は本当か
- 車体が大きくすり抜けは苦手
- 気になる燃費性能と航続距離
X-ADVの購入後に気づく欠点


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X-ADVの購入を考えているなら、事前に把握しておくべきいくつかの欠点が存在します。これらの点を理解しておくことが、購入後の後悔を避ける鍵となります。
第一に、車両重量が挙げられます。装備重量で236kg(2025年モデルは237kg)と、スクーターとしてはかなり重たい部類に入ります。この重さは、特に駐車時や狭い場所での取り回しにおいて負担に感じることがあります。坂道での押し引きなどは、体格によっては困難を伴うかもしれません。
次に、シート高と足つき性です。シート高自体は790mmと、アドベンチャーモデルの中では平均的な数値ですが、シートの幅が広めに設計されているため、スペックの数値以上に足つきが悪く感じられることがあります。身長によっては両足がしっかりと接地せず、信号待ちなどで不安を感じる場面も考えられます。
そして、メンテナンスの手間とコストも無視できません。X-ADVの大きな特徴であるDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)は、オイル交換時にエンジンオイル用とDCT用の2つのフィルターが必要になるなど、一般的なバイクに比べて維持費が少し高くなる傾向があります。
チェーン駆動であるため、定期的な清掃や調整も必要となり、スクーターの手軽さをイメージしていると、その手間に戸惑う可能性があります。
不人気でダサいと言われる理由


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X-ADVが一部で「不人気」あるいは「ダサい」と評価される背景には、その極めてユニークなデザインが大きく関係しています。このバイクは、スクーターの利便性とアドベンチャーバイクの走破性を融合させた、他に類を見ないスタイリングを持っています。
具体的には、角張ったラインで構成されたボディカウル、大径のスポークホイール、そしてアップライトなハンドルポジションなどが特徴です。この未来的でメカニカルな外観は、従来のバイクのどれにも当てはまらない強い個性を放っています。
このため、見る人によって好みがはっきりと分かれるのです。このデザインを「先進的でかっこいい」と捉えるライダーがいる一方で、「どのジャンルにも属さない中途半端なデザイン」「ごちゃごちゃしていてダサい」と感じるライダーも少なくありません。
言ってしまえば、万人受けするデザインではないため、結果として「不人気」という声につながることがあります。
しかし、これは欠点であると同時に、他の誰とも被らないバイクに乗りたいと考える人にとっては、大きな魅力にもなり得ます。デザインの評価は主観的な要素が強いため、カタログや写真だけで判断せず、実車を見て自身の感性に合うかどうかを確認することが大切です。
乗るとつまらないという評価は本当か


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X-ADVに対して「乗るとつまらない」という評価が聞かれることがありますが、これはライダーがバイクに何を求めるかによって、その真偽が大きく変わってきます。
この評価の主な理由は、エンジン特性にあります。X-ADVに搭載されている745cc水冷並列2気筒エンジンは、高回転まで回してパワーを絞り出すタイプではありません。
むしろ、常用する低・中回転域で力強いトルクを発生させることを重視した実用的なセッティングです。このため、リッタークラスのスーパースポーツのような、体が置いていかれるほどの刺激的な加速感や、甲高いエキゾーストノートを期待すると、「物足りない」「つまらない」と感じてしまう可能性があります。
また、DCTがもたらすスムーズな自動変速も、一部のライダーには物足りなさの原因となることがあります。クラッチ操作やシフトチェンジといった、バイクを「操る」感覚を重視する人にとっては、あまりにも賢く、楽なDCTの制御が、逆にバイクとの一体感を削いでいると感じられるかもしれません。
一方で、この扱いやすいエンジン特性とDCTの組み合わせは、街中でのストップアンドゴーや長距離ツーリングにおいて、圧倒的な快適さと疲労の少なさをもたらします。必要な時に必要なだけスムーズに加速し、シフト操作から解放されることで、景色を楽しんだり、ライディングそのものに集中したりできるのです。
以上のことから、X-ADVが「つまらない」かどうかは、ライダーの価値観次第と言えます。刺激的なスポーツ性を求めるなら他の選択肢が良いかもしれませんが、快適で力強く、あらゆる道を気軽に楽しみたいのであれば、これほど面白いバイクはないと考えられます。
車体が大きくすり抜けは苦手


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都市部での利用を考えている方にとって、X-ADVのすり抜け性能は気になるポイントです。結論から言うと、その車体の大きさから、すり抜けは得意なバイクとは言えません。
X-ADVの全幅は940mmあり、一般的なスクーターやネイキッドバイクと比較してもかなりワイドです。特に、アドベンチャースタイルの幅広なハンドルバーは、乗車しているライダーの感覚以上に左右に張り出しています。このため、車と車の間を通り抜ける際には、ミラーやハンドルバーエンドの接触に細心の注意が必要です。
また、前述の通り、車両重量が236kgと重く、ホイールベースも1580mmと長いため、低速での細かいコントロールが求められるすり抜けシーンでは、軽快さに欠けると感じるでしょう。
DCTは極低速での半クラッチ操作ができないため、ライダーの意図とは異なるタイミングでクラッチが繋がったり、ギアが変わったりすることもあり、慣れないうちは渋滞路で神経を使うかもしれません。
もちろん、全くすり抜けができないわけではありませんが、PCXやNMAXのようなコンパクトなスクーターと同じ感覚で考えていると、その扱いにくさに戸惑うことは間違いありません。日常的な通勤や通学で、頻繁に渋滞路のすり抜けを行うのであれば、X-ADVのこの特性は明確なデメリットとして認識しておく必要があります。
気になる燃費性能と航続距離
X-ADVは750ccクラスの大型バイクですが、燃費性能は非常に優れています。これは、ベースとなっているNC750シリーズ譲りの低燃費エンジンによるところが大きいです。
公式に発表されているWMTCモード値(実用燃費に近い国際基準)では、1リットルあたり27.1km(2025年モデル)となっています。ユーザーからの実燃費報告を見ても、その数値は大きく乖離していません。
走行シーン別の実燃費目安
- 市街地(ストップアンドゴーが多い): 約20km/L ~ 25km/L
- 郊外(信号の少ない道): 約28km/L ~ 33km/L
- 高速道路(100km/h巡航): 約25km/L ~ 28km/L
特に信号の少ない郊外路やツーリングでは、リッターあたり30kmを超える良好な数値を記録することも珍しくありません。750ccという排気量を考えれば、トップクラスの燃費性能と言えます。
燃料タンク容量は13リットルで、燃料はレギュラーガソリン仕様です。上記の燃費から航続距離を計算すると、満タン状態から300km以上の走行が十分に可能です。ツーリングの使い方であれば、おおよそ350km前後を無給油で走り切れる計算になり、長距離移動でも給油の心配を頻繁にする必要はないでしょう。
ただし、高速道路で速度を上げて巡航すると燃費は悪化する傾向があるため、その点は留意しておくと良いでしょう。総じて、X-ADVはパワフルでありながら経済性にも優れたバイクです。
X-ADVで後悔しないための判断材料


Honda公式
- それでも多くの人を惹きつける魅力
- フルパワーで実現する最高速度
- 実際の最高速と加速性能をチェック
- よく比較されるライバル車との違い
- X-ADVがおススメの人の特徴
それでも多くの人を惹きつける魅力


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ここまでいくつかの懸念点を挙げてきましたが、X-ADVにはそれを補って余りある独自の魅力があり、多くのライダーを惹きつけてやみません。
最大の魅力は、やはり「快適な乗り心地」と「優れた積載性」が両立している点です。ストロークの長い前後サスペンションが路面の凹凸をしなやかに吸収し、長距離を走っても疲れにくいライディングポジションを実現します。
シート下のラゲッジスペースは21リットル(2025年モデル)の容量を確保しており、フルフェイスヘルメット(形状による)や雨具などを収納可能です。この一台で通勤から買い物、そして週末のロングツーリングまでこなせる万能性は、他のバイクにはない大きなアドバンテージです。
次に、「先進的な技術」を体験できる楽しさがあります。ホンダ独自のDCTは、ライダーをクラッチ操作とシフトチェンジから解放し、ライディングに集中させてくれます。
変速タイミングは極めて巧妙で、スポーツ走行からクルージングまで、モード選択によって自在にキャラクターを変えることが可能です。2025年モデルからは待望のクルーズコントロールも搭載され、高速道路での快適性がさらに向上しました。
さらに、アドベンチャーバイク譲りの高い走破性も見逃せません。多少のダートや荒れた路面であれば、臆することなく入っていける安心感があります。
この「どこへでも行けそう」という感覚は、ライダーの行動範囲を広げ、新たな冒険へと誘ってくれるでしょう。これらの魅力が融合することで、X-ADVは他に代えがたい唯一無二の存在となっています。
フルパワーで実現する最高速度


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X-ADVが搭載する745cc水冷SOHC並列2気筒エンジンは、最高出力43kW(58PS)/6,750rpm、最大トルク69N・m(7.0kgf・m)/4,750rpmを発揮します。このスペックを見て、「最高速はそれほどでもないのでは?」と感じるかもしれません。
確かに、X-ADVは最高速度記録を更新するようなバイクではありません。しかし、そのポテンシャルは日本の公道で使うには十分すぎるものです。
実際の走行レビューなどを見ると、X-ADVの最高速度はメーター読みで約160km/hから180km/hの範囲に達すると言われています。これは、高速道路での追い越しや合流で、全く不足を感じない性能です。むしろ、高い防風性能を持つスクリーンと安定した車体のおかげで、高い速度域でもライダーは安心して巡航を続けることができます。
重要なのは、X-ADVの魅力が最高速そのものにあるのではなく、そこに至るまでの力強い加速と、高速巡航時の快適性にあるということです。フルパワーを解放した際の加速は、DCTが途切れることなく駆動力を伝え続け、ライダーをスムーズかつ迅速に目的の速度域まで到達させます。
したがって、最高速度の絶対的な数値を気にするよりも、実用域での動力性能の高さと快適性に注目するべきバイクと言えます。
実際の最高速と加速性能をチェック
前述の通り、X-ADVの最高速は十分なレベルにありますが、このバイクの真の魅力は、スペックシートの数字だけでは測れない実際の加速性能にあります。
X-ADVのエンジンは、日常的によく使う低回転から中回転域で最大トルクを発揮するように設計されています。これは、信号からの発進や、追い越し時など、ライダーが「加速したい」と感じる瞬間に、アクセルを開けるだけですぐさま力強いGを感じられることを意味します。
特に、DCTとの組み合わせがこの加速性能を際立たせています。一般的なマニュアル車ではシフトチェンジの際に一瞬駆動力が途切れますが、DCTは次のギアを常に準備しているため、ほぼ間断なく加速し続けます。これにより、ライダーが体感する加速感は非常にスムーズで、かつダイレクトです。
ライディングモードを「SPORT」に設定すれば、エンジンはより高回転まで引っ張り、変速レスポンスも鋭くなります。ワインディングロードなどでは、まるでスポーツバイクのような俊敏な立ち上がり加速を楽しむことも可能です。
要するに、X-ADVは0-100km/hのようなタイムを競うバイクではありませんが、実用域における加速の力強さと気持ちよさにおいては、多くのライダーを満足させるだけの性能を持っています。この「いつでもトルクフル」という感覚こそが、X-ADVの走りの楽しさの核となる部分です。
よく比較されるライバル車との違い


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X-ADVはその独特なコンセプトから、直接的なライバルは存在しないと言えます。しかし、購入を検討する際には、いくつかのモデルが比較対象として挙げられます。それぞれの特徴を理解することで、X-ADVの立ち位置がより明確になります。
車種名 | コンセプト | エンジン | トランスミッション | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Honda X-ADV | アドベンチャースクーター | 745cc 並列2気筒 | 6速DCT | 唯一無二のスタイル、オフロード走破性、DCTの快適性 |
Yamaha TMAX560 | スポーツスクーター | 561cc 並列2気筒 | CVT | スポーティなハンドリング、軽快な走り、洗練されたデザイン |
Suzuki バーグマン400 | コンフォートスクーター | 399cc 単気筒 | CVT | 優れた足つき性、快適な乗り心地、高い実用性 |
Honda レブル1100 DCT | モダンクルーザー | 1082cc 並列2気筒 | 6速DCT | X-ADVよりパワフルなエンジン、良好な足つき、クルーザースタイル |
Yamaha TMAX560 TECH MAX
TMAXは「スポーツスクーター」の元祖とも言える存在で、運動性能を最優先に設計されています。X-ADVと比較すると、より軽量でハンドリングも軽快なため、ワインディングでの走りを楽しみたいライダーに向いています。一方、X-ADVはTMAXにはない未舗装路への対応力と、DCTによる独自のライディングフィールが魅力です。


Suzuki バーグマン400
バーグマン400は、快適性と実用性を追求したモデルです。X-ADVに比べて足つきが良く、価格も抑えられています。主に市街地走行やツーリングでの快適さを求めるなら、バーグマン400は非常に有力な選択肢です。ただし、動力性能や先進性、そして所有感においてはX-ADVに軍配が上がります。
Honda レブル1100 DCT
同じホンダのDCT搭載モデルとして、レブル1100が比較対象になることもあります。エンジンはアフリカツインベースの1082ccで、X-ADVよりもパワフルです。クルーザースタイルのため足つきは抜群に良いですが、防風性能や積載性はX-ADVに劣ります。全く異なるスタイルのバイクですが、「DCTの楽な走り」を求める中で選択肢に入ってくるモデルです。
このように、それぞれのライバルには明確な得意分野があります。X-ADVは、これらのモデルの要素を少しずつ取り入れながら、独自のポジションを築いていると言えるでしょう。
X-ADVがおススメの人の特徴


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これまでの情報を総合すると、X-ADVの購入を心から楽しめ、後悔しないであろう人の特徴がいくつか見えてきます。
まず第一に、「ユニークな存在感を求める人」です。X-ADVはスクーターでもなく、純粋なアドベンチャーバイクでもありません。この唯一無二のスタイリングとコンセプトを愛せる人にとっては、最高の相棒となります。他人とは違う、個性的なバイクに乗りたいという方には強くおススメできます。
次に、「1台で何でもこなしたい人」です。平日の通勤から週末の買い物、そして長距離のツーリングや少しの林道散策まで、多様な用途を1台で完結させたいライダーにとって、X-ADVの万能性は非常に魅力的です。複数のバイクを所有する環境にない方でも、この1台があれば幅広いバイクライフを楽しむことが可能です。
そして、「最新技術や楽なライディングを好む人」も挙げられます。ホンダの先進技術であるDCTや、多彩なライディングモード、2025年モデルから搭載されたクルーズコントロールなど、バイクに快適性や利便性を求める人には最適です。クラッチ操作から解放され、スマートなライディングを楽しみたい方にはぴったりでしょう。
逆に言えば、純粋なスポーツ性能や軽快さ、あるいはクラシックなバイクの操る楽しさを最優先する方には、他の選択肢の方が満足度が高いかもしれません。自身のバイクに対する価値観と照らし合わせて検討することが、後悔しないバイク選びの鍵となります。
まとめ:X-ADVの後悔を避けるために
- X-ADVはスクーターとアドベンチャーバイクを融合した唯一無二のモデル
- 購入後の後悔として多いのは重量、足つき、メンテナンスの手間
- 独特なデザインは好みが分かれ「ダサい」と感じる人もいる
- 低中速トルク型のエンジンは刺激を求める人には「つまらない」と感じる可能性
- 車幅が広く重いため都市部でのすり抜けは得意ではない
- 燃費は750ccクラスとしては非常に優秀で航続距離も十分
- 欠点を上回る魅力として快適性、積載性、先進技術が挙げられる
- DCTによるスムーズな走行と疲労軽減は大きなメリット
- 2025年モデルからは待望のクルーズコントロールが搭載された
- 最高速度は約160km/h~180km/hと公道では十分な性能
- 魅力の神髄は最高速よりも実用域での力強い加速性能にある
- ライバルはTMAX560やバーグマン400だがコンセプトが異なる
- DCTを求めるならレブル1100も比較対象になり得る
- 個性を重視し、1台で多用途に使いたいライダーに最適な一台
- 購入前には必ず実車にまたがり足つきや取り回しを確認することが重要
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