FZ1 FAZERが不人気な理由とは？欠点や魅力を徹底解説

2025年6月11日2025年6月12日

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ヤマハ FZ1 FAZERは、一部で不人気と言われることがあります。その理由は何なのでしょうか。

スーパースポーツ譲りの高性能なエンジンとシャープなデザインを持ちながら、なぜか市場で圧倒的な支持を得るには至らなかったこのモデルには、確かにいくつかの特徴的な側面が存在します。

この記事では、FZ1 FAZERが不人気と言われる背景にある、エンジンが熱いといった具体的な欠点から、知る人ぞ知る隠れた魅力までを徹底的に掘り下げます。

また、中古車選びで重要な逆車の見分け方、気になるロングツーリング性能、購入前に知っておきたい壊れやすい箇所や持病の有無についても詳しく解説します。

最終的に、このバイクがどのような人におススメなのかを、多角的な視点から明らかにしていきます。

いっしん

この記事では以下のことがわかります。

FZ1 FAZERが不人気と言われる具体的な理由
エンジン熱や故障など、購入前に知るべき注意点
国内仕様と逆車の違いやロングツーリングでの実力
どのようなライダーに最適なバイクなのかという判断基準

FZ1 FAZERの魅力と不人気と言われる理由

バイクブロスより引用

FZ1 FAZERの隠れた魅力とは
無視できないFZ1 FAZERの欠点
なぜエンジン周りがそんなに熱いのか
壊れやすい箇所や持病はあるのか
乗っている人の口コミ・レビューまとめ

FZ1 FAZERの隠れた魅力とは

イメージ画像：当サイトにて作成

FZ1 FAZERの最大の魅力は、スーパースポーツYZF-R1譲りの高性能エンジンを、より扱いやすい車体に搭載している点にあります。この組み合わせが、日常の扱いやすさとワインディングでの楽しさを両立させています。

なぜなら、高剛性のアルミ製フレームは非常に軽量に作られており、車両重量は225kgに抑えられています。これは、例えばライバルと目されるホンダCB1300SBよりも40kg以上軽い数値です。この軽さが、ワインディングロードでの軽快なハンドリングや、押し引きといった取り回しの良さに直結しています。

実際にオーナーからは、「軽快でヒラヒラとよく曲がる」「自分の思い通りに操れる」といった声が多く聞かれます。低速から高速までスムーズに吹け上がるエンジンは、街乗りから高速巡航まで幅広いシーンで余裕のある走りを提供してくれるのです。

このように、スポーティーな走行性能を求めるライダーにとって、FZ1 FAZERの持つ基本設計の高さは、他のツアラーモデルにはない大きな魅力と考えられます。

無視できないFZ1 FAZERの欠点

イメージ画像：当サイトにて作成

多くの魅力を持つ一方で、FZ1 FAZERには購入前に理解しておくべきいくつかの欠点が存在します。最も多くのユーザーが指摘するのは、エンジンから発生する熱の問題です。これに加えて、SS譲りのエンジン特性に起因する低速トルクの細さや、やや硬めの乗り心地が挙げられます。

特にエンジン熱は深刻で、夏場の渋滞路では低温やけどを心配する声もあるほどです。また、YZF-R1のエンジンをベースにしているため、発進時や極低速走行では、より丁寧なクラッチ操作が求められる場面があります。大排気量ツアラーに期待されるような、どこからでも加速する図太いトルク感とは少しキャラクターが異なります。

さらに、硬めにセッティングされたサスペンションや薄く見えるシート形状から、路面の凹凸を拾いやすく、乗り心地が硬いと感じる人もいるようです。長時間のライディングでは、お尻の痛みを訴える意見も見受けられます。

したがって、FZ1 FAZERを検討する際は、これらの欠点が自身のライディングスタイルや用途に許容できる範囲内であるかを、事前に見極めることが大切になります。

なぜエンジン周りがそんなに熱いのか

イメージ画像：当サイトにて作成

FZ1 FAZERが「熱い」と言われる主な理由は、搭載されているエンジンの素性と、熱を効率的に逃がしにくい車体構造にあります。このバイクのエンジンは、高性能を追求したスーパースポーツYZF-R1がベースであり、もともと発熱量が多いことが一因です。

エンジンの特性とフレーム構造

高回転・高出力型のショートストロークエンジンは、どうしても多くの熱を発生させます。加えて、FZ1 FAZERでは軽量化と高剛性を両立するアルミ製ツインスパーフレームが採用されています。このフレームがエンジンの熱を吸収しやすく、ニーグリップした際の内ももに直接熱が伝わりやすい構造となっているのです。

熱が集中する箇所

特に熱を感じやすいのは、フレームとシート下の2箇所です。走行中はフレームを通じて膝の内側が熱くなり、渋滞などで停車するとラジエーターファンからの熱風とエンジン本体からの輻射熱で、足元全体が熱気に包まれます。また、熱の逃げ場がシート下にも向かうため、夏場はシート自体が熱くなるという声も少なくありません。

これらの理由から、特に夏場の市街地走行では、ライダーはかなりの熱さに耐える必要があります。対策としては、フレームヒートプロテクターなどのカスタムパーツを取り付けたり、断熱性に優れたライディングパンツを着用したりすることが有効と考えられます。

壊れやすい箇所や持病はあるのか

イメージ画像：当サイトにて作成

FZ1 FAZERは基本的に信頼性の高いバイクですが、年式や走行距離によっては特定の箇所に不調が出やすい傾向が見られます。オーナーの報告で散見されるのは、エンジンが暖まった際にギアが入りにくくなる症状や、発電系統のトラブルです。

クラッチおよびギア周りの不調

このモデルの持病として時折挙げられるのが、エンジン暖機後にシフトチェンジが固くなる、あるいはニュートラルに入りにくくなるという現象です。原因としては、クラッチ板の摩耗やクラッチバスケットの段付き摩耗などが考えられます

。走行距離が進んだ車両では、クラッチ周りの点検や部品交換が必要になる可能性があります。オイルの種類によって症状が緩和されるケースもあるようですが、根本的な解決には至らないことも多いようです。

発電系統（ジェネレーター）のトラブル

もう一つ注意したいのが、ジェネレーター（発電機）の故障です。これはFZ1に限らず、同時期のヤマハ車の一部で見られる傾向でもあります。突然エンジンが停止し、再始動できなくなるといった症状が出た場合は、ジェネレーターやレギュレーターの故障が疑われます。

出先でこのトラブルが発生すると自走不能になるため、中古車を選ぶ際は発電系統が正常に機能しているかを確認することが望ましいです。

これらの点を踏まえると、中古のFZ1 FAZERを選ぶ際には、過去の整備記録を確認し、特にクラッチや発電系統に手が入っているかをチェックすることが、購入後の予期せぬ出費を避ける上で有効な手段となります。

乗っている人の口コミ・レビューまとめ

イメージ画像：当サイトにて作成

FZ1 FAZERのオーナーによる口コミやレビューを見ると、評価は「スポーティーな走行性能」と「快適性の課題」という二つの側面に大きく分かれます。多くのライダーが、そのハンドリング性能とエンジンパワーを高く評価しています。

一方で、ネガティブな意見としては、やはりエンジン熱の問題が最も多く挙げられています。

「夏は地獄」

「低温やけどしそう」

といった声は頻繁に見られ、このバイク最大のウィークポイントであることがうかがえます。

次いで、硬めの乗り心地や足つき性、燃費に関する指摘があります。特に燃費については、街乗りでリッター15km程度という報告が多く、経済性を重視するユーザーにとっては少し気になるポイントかもしれません。

しかし、これらの欠点を理解した上で、多くのオーナーが

「乗っていて楽しい」

「所有感を満たしてくれる」

と総評しており、満足度は総じて高い傾向にあります。不人気と言われながらも、その独特のキャラクターがコアなファンを惹きつけていることが、これらのレビューから読み取れます。

評価ポイント	主なポジティブ意見	主なネガティブ意見
走行性能	軽くてよく曲がる、R1譲りのエンジンがパワフル	低速トルクが細く、発進に気を使う
快適性	ハーフカウルで高速走行が楽	エンジンとフレームが非常に熱い、シートが硬い
取り回し	車重が軽く扱いやすい	ステップが足に当たる、シート高がやや高い
その他	デザインが秀逸、不人気で中古価格が安い	燃費が良くない、積載性は低い

FZ1 FAZERが不人気な理由と購入ガイド

バイクブロスより引用

このパートでは

FZ1 FAZERの逆車の見分け方
国内仕様のフルパワー化は可能なのか
逆車と国内仕様の最高速を比較する
ロングツーリング性能は快適なのか
よく比較されるライバル車を紹介
FZ1 FAZERがおススメの人とは

FZ1 FAZERの逆車の見分け方

バイクブロスより引用

中古市場でFZ1 FAZERを探す際、国内仕様か逆輸入車（逆車）かを見分けることは非常に重要です。両者には馬力や装備に大きな違いがあるため、いくつかのポイントを知っておくと判別しやすくなります。

最も簡単な見分け方の一つが、車体に取り付けられているコーションステッカー（注意書きラベル）の言語です。日本語で書かれていれば国内仕様、英語など外国語で書かれていれば逆車である可能性が濃厚です。

また、仕向け地によってはフロントフォーク側面やリアフェンダー側面にオレンジ色のサイドリフレクター（反射板）が装着されています。これは北米仕様などの特徴であり、国内仕様には通常ありません。

さらに確実な方法として、フレームナンバー（車台番号）を確認する方法があります。国内仕様のモデルコードは「RN21J」から始まります。一方、逆車は「RN16」や「RN17」などから始まる場合が多く、特に北米仕様は17桁のVINコードが採用されているため、番号の桁数だけでも見分けることが可能です。

見分けるポイント	国内仕様の特徴	逆輸入車の特徴
コーションステッカー	日本語表記	英語などの外国語表記
サイドリフレクター	基本的に非装着	装着されている場合がある（特に北米仕様）
フレームナンバー	「RN21J」から始まる	「RN16」「RN17」などから始まる。17桁のVINコードの場合も
その他	イモビライザー標準装備	仕向け地によりイモビライザー非搭載の場合あり

これらの点を総合的に確認することで、中古車がどちらの仕様であるかを判断する助けになります。

国内仕様のフルパワー化は可能なのか

イメージ画像：当サイトにて作成

国内仕様のFZ1 FAZERを、逆輸入車と同等のパワーまで引き上げる「フルパワー化」は可能です。ただし、いくつかのパーツ交換やセッティング変更が必要となり、相応のコストと専門知識が求められます。

国内仕様の最高出力が94馬力であるのに対し、逆輸入車は150馬力と、その差は歴然です。この差は、主にECU（エンジン・コントロール・ユニット）のマップ、吸気ファンネル、エキゾーストシステムの違いによって生まれています。

フルパワー化の一般的な手法としては、まずECUを逆車仕様のものに交換するか、専門ショップでECUのマップを書き換えてもらう方法があります。これに合わせて、吸気効率を高めるために逆車仕様の長いエアファンネルに交換し、排気効率の良い社外マフラーや逆車純正マフラーを装着するのが定石です。

ただし、これらのカスタムを施しても、細かな内部パーツの違いから完全に150馬力に到達するとは限りません。また、フルパワー化に伴い、燃費の悪化や低速での扱いにくさが助長される可能性も考慮する必要があります。

以上のことから、フルパワー化は可能ですが、費用対効果やデメリットを十分に理解した上で検討することが肝心です。手軽にフルパワーの性能を享受したいのであれば、最初から逆輸入車を選択する方が賢明な場合も多いでしょう。

逆車と国内仕様の最高速を比較する

イメージ画像：当サイトにて作成

逆輸入車と国内仕様のFZ1 FAZERでは、最高速に大きな違いがあります。この差は、エンジン出力の違いとスピードリミッターの有無に起因します。

国内仕様は、最高出力が94馬力に抑えられていることに加え、日本の規制に合わせて180km/hでスピードリミッターが作動するように設計されています。そのため、サーキットなどのクローズドコースに持ち込んでも、メーター読みで180km/hを少し超えたあたりで加速が頭打ちになります。

一方、150馬力を発生する逆輸入車には、この180km/hリミッターは存在しません。実際の最高速はライダーの体重や走行条件によって変化しますが、多くのオーナーレポートによれば、メーター読みで260km/h前後に到達するようです。

ただし、ネイキッドに近いハーフカウルの形状から、200km/hを超えたあたりから空気抵抗が大きくなり、加速は次第に穏やかになります。

このように、絶対的なスピードを求めるのであれば、選択肢は逆輸入車一択となります。もっとも、日本の公道でその性能をフルに発揮させる機会は皆無に等しいため、国内仕様の動力性能でも不足を感じる場面は少ない、という意見も多く聞かれます。

ロングツーリング性能は快適なのか

イメージ画像：当サイトにて作成

FZ1 FAZERのロングツーリング性能については、ライダーによって評価が分かれるところです。ハーフカウルによる優れた防風性能と、アップライトなライディングポジションは長距離移動の疲労を軽減してくれる大きなメリットです。

高速道路での巡航は非常に安定しており、パワフルなエンジンのおかげで追い越しもスムーズに行えます。ハーフカウルは、特に上半身に当たる走行風を効果的にいなしてくれるため、カウルのないネイキッドモデルと比較して格段に快適です。

しかし、前述の通り、硬めのシートとサスペンションがお尻の痛みを引き起こす可能性があります。また、エンジンからの熱は、夏場のツーリングではかなりのストレスになり得ます。燃費も高速主体でリッター18km程度と、最新のツアラーモデルと比較するとやや劣るため、給油のタイミングには少し気を使うかもしれません。

対策として、多くのオーナーがワイズギア製のクールメッシュシートカバーや、より防風効果の高い社外品のロングスクリーンを装着しています。これらのカスタムを施すことで、快適性は大幅に向上させることが可能です。

以上の点を総合すると、FZ1 FAZERはノーマル状態でも一定のロングツーリング適性を持ちますが、より快適な旅を求めるのであれば、ライダーの体格や好みに合わせた若干のカスタムを視野に入れるのが良いと考えられます。

よく比較されるライバル車を紹介

FZ1 FAZERを検討する際、多くのライダーが比較対象として挙げるのが、ホンダのCB1300 SUPER BOL D’OR (SB) です。また、より過激なストリートファイター系のモデルとして、カワサキのZ1000などもライバルとなり得ます。

ホンダ CB1300 SUPER BOL D’OR (SB)

CB1300SBは、FZ1 FAZERの最も直接的なライバルと言えるでしょう。両者の最大の違いは、そのキャラクターにあります。CB1300SBは、低回転から湧き上がる豊かなトルクと、重厚で安定感のある乗り味が特徴の「王道ツアラー」です。対してFZ1 FAZERは、軽量な車体と高回転型のエンジンによる「スポーツツアラー」としての性格が色濃く出ています。

項目	YAMAHA FZ1 FAZER	HONDA CB1300SB
キャラクター	スポーツツアラー	王道ツアラー
エンジン	高回転型・パワフル	低速トルク型・スムーズ
車両重量	軽い（225kg）	重い（272kg）
ハンドリング	軽快・スポーティー	穏やか・安定的
得意な場面	ワインディング	ロングクルージング

どちらが良いかは完全に好みの問題であり、軽快な走りを求めるならFZ1 FAZER、どっしりとした安定感と快適性を重視するならCB1300SBが向いていると言えます。

カワサキ Z1000

より刺激的な走りを求めるのであれば、Z1000も比較対象に入ってきます。Z1000は「スーパーネイキッド」や「ストリートファイター」と呼ばれるカテゴリーに属し、FZ1 FAZER以上にアグレッシブなデザインと走行性能を持っています。防風性能ではFZ1 FAZERに分がありますが、街中や峠でのキビキビとした走りではZ1000が際立ちます。