「MT-10は不人気」という噂を耳にして、その真偽を確かめたいと考えている方もいるのではないでしょうか。独特のデザインや価格設定から、購入して後悔しないかという不安もあるかもしれません。
一方で、クロスプレーンエンジンがもたらす官能的で楽しい走りは本当に速いのか、見た目に反したツーリング性能の高さなど、語られる魅力と欠点について深く知りたいと思っていることでしょう。さらに生産終了の可能性も囁かれており、今が購入の好機なのか判断に迷うところです。
この記事では、ヤマハMT-10が「不人気」と言われる背景にある理由を多角的に分析し、オーナーの声や客観的なデータに基づいて、その真の価値と魅力に迫ります。

この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
- MT-10が「不人気」と言われる具体的な理由
- 実際のオーナーが評価する真の魅力と無視できない欠点
- 主要なライバル車種との客観的な性能や特徴の違い
- 購入後に後悔しないために知っておくべき判断材料


MT-10 不人気説は本当か?その理由を分析


- MT-10の魅力と欠点をレビューから探る
- 購入後に後悔しないためのポイント
- 夏場は特に熱いという評判は本当か
- 劣悪な燃費性能と短い航続距離
- 比較されるライバル車との違いとは
MT-10の魅力と欠点をレビューから探る


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ヤマハMT-10の評価は、その強烈な個性ゆえに、魅力と欠点が表裏一体となっているのが特徴です。多くのオーナーが最大の魅力として挙げるのは、スーパースポーツモデル「YZF-R1」譲りのクロスプレーンクランクシャフト採用エンジンです。
不等間隔爆発による独特の脈動感と排気音、そしてどの回転域からでもリニアに反応する力強いトルクは、他の4気筒エンジンでは味わえない官能的な楽しさを提供します。また、電子制御サスペンション(SPモデル)や豊富な電子デバイスによる高い走行性能も、大きな魅力と考えられています。
一方、欠点として最も多く指摘されるのが、その独創的なフロントマスクのデザインです。昆虫を彷彿とさせるとも言われるこのスタイルは、好き嫌いが明確に分かれる最大の要因となっています。加えて、燃費の悪さや、夏場の信号待ちなどで顕著になるエンジンの排熱問題も、快適性を損なう欠点として挙げられます。



これらの点は、MT-10を評価する上で避けては通れない要素です。
以上のことから、MT-10は万人受けするバイクではなく、特定の魅力に強く惹かれるライダーに選ばれる傾向があると言えるでしょう。
購入後に後悔しないためのポイント


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MT-10の購入を検討する際、後悔しないためにはいくつかのポイントを事前に理解しておくことが大切です。
まず第一に、自身のバイクライフとMT-10の特性が合致しているかを見極める必要があります。
例えば、主な用途が燃費を気にする長距離ツーリングや毎日の通勤である場合、リッター10km台前半に落ち込むこともある燃費性能は、給油回数の増加や経済的な負担となり、後悔につながる可能性があります。
第二に、積載性の低さも理解しておくべきです。
シート下の収納スペースはほぼ皆無に等しいため、ツーリングなどで荷物を積む際は、純正オプションや社外品のリアキャリア、トップケース、サイドバッグなどの追加が前提となります。これらの追加費用も考慮に入れておくことが求められます。
そして、特徴的なデザインを本当に受け入れられるかも重要な判断基準です。
試乗などで性能面に惚れ込んだとしても、日々向き合うことになるデザインが好みでなければ、所有する満足感は次第に薄れていくかもしれません。したがって、性能、実用性、デザインの三つの側面から、自分の価値観と照らし合わせることが、購入後のミスマッチを防ぐ鍵となります。
夏場は特に熱いという評判は本当か


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MT-10に関して、多くのレビューで指摘されるのが「エンジンの排熱が熱い」という点です。これは紛れもない事実であり、特に夏場のライディングでは注意が必要なポイントになります。熱の主な発生源は、997ccの大排気量クロスプレーンエンジンそのものです。
熱を感じやすい状況と箇所
特に熱さを感じやすいのは、市街地での渋滞や信号待ちといった、走行風による冷却が期待できない低速走行時です。多くのオーナーが、特に右足の内側、くるぶしからふくらはぎにかけて強い熱風が当たることを報告しています。これはフレームの隙間から排出されるラジエーターの熱風が原因と考えられます。
高速道路など、一定の速度で走行している状況では熱は気になりにくくなりますが、一度熱を持ったエンジンは、停車すると再び強烈な熱気を放ちます。そのため、真夏のツーリングでは、適切なウェア選びやこまめな休憩が不可欠です。
ジーンズ一枚のような軽装では、低温やけどのリスクも考えられるため、ライディングパンツの着用が推奨されます。この排熱問題は、MT-10が持つハイパフォーマンスの代償とも言えるでしょう。
劣悪な燃費性能と短い航続距離


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MT-10を所有する上で、最も現実的な問題として向き合う必要があるのが燃費性能です。YZF-R1由来のハイパフォーマンスエンジンを搭載しているため、燃費が良いバイクとは決して言えません。
公表されているWMTCモード値は15.6km/Lですが、実際のオーナーレビューを見ると、実燃費はさらに厳しい数値となることが多いようです。
- 市街地走行: ストップ&ゴーが続く環境では、10~12km/L程度まで落ち込むことも珍しくありません。
- 高速道路走行: クルーズコントロールなどを活用し、一定速度で巡航すれば15km/Lを超えることもありますが、追い越しなどでアクセルを開ける場面が増えると燃費は悪化します。
- ツーリング平均: 乗り方にもよりますが、おおむね13~15km/L前後が平均的な数値と考えられます。
燃料タンク容量は17Lですので、単純計算で航続距離は220km~250km程度となりますが、安全マージンを考えると、200kmを前に給油を検討するのが賢明です。特にガソリンスタンドが少ない山間部や夜間のツーリングでは、こまめな給油計画が必須となり、この給油頻度の高さがツーリングの自由度を少しスポイルする可能性は否定できません。
比較されるライバル車との違いとは


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MT-10は「ストリートファイター」や「ハイパーネイキッド」と呼ばれるカテゴリに属し、国内外のメーカーに強力なライバルが存在します。ここでは、特に比較対象として挙げられることが多い主要なモデルとの違いを解説します。
車種名 | エンジン形式 | 最高出力 | 最大トルク | 車両重量 | シート高 | 新車価格(税込) |
---|---|---|---|---|---|---|
ヤマハ MT-10 | 水冷並列4気筒 | 166PS | 112N・m | 212kg | 835mm | 1,925,000円~ |
ホンダ CB1000ホーネット | 水冷並列4気筒 | 150PS以上 | 100N・m以上 | 未発表 | 未発表 | 未発表 |
スズキ GSX-S1000 | 水冷並列4気筒 | 150PS | 105N・m | 214kg | 810mm | 1,430,000円 |
カワサキ Z H2 | 水冷並列4気筒+SC | 200PS | 137N・m | 240kg | 830mm | 2,057,000円~ |
※2025年6月時点の情報。CB1000ホーネットは発表済みの情報に基づき、価格・重量等は未発表。
ホンダ CB1000ホーネット
CB1000Rの後継として登場したモデルです。伝統的な180度クランクの直4エンジンは、MT-10のクロスプレーンとは対照的に、高回転までスムーズに吹け上がるフィーリングが特徴です。より正統派なネイキッドスポーツの乗り味を求めるライダーに適しています。


スズキ GSX-S1000
コストパフォーマンスの高さが際立つモデルです。GSX-R1000譲りのエンジンはパワフルで、ダイレクトな操作感が魅力です。MT-10に比べて電子制御はシンプルですが、その分、ライダーが積極的に操る楽しさがあります。価格を抑えつつ、高い運動性能を求めるなら有力な選択肢となります。


カワサキ Z H2
スーパーチャージャーを搭載し、200PSという圧倒的なパワーを誇るモデルです。その加速は他の追随を許さず、強烈な刺激を求めるライダーにとっては唯一無二の存在です。ただし、重量も最も重く、価格も高価になります。


このように、MT-10はライバル車と比較して、クロスプレーンエンジンという明確な個性を持ち、官能的なフィーリングと高いツーリング性能を両立している点が最大の違いと言えます。
MT-10不人気の噂を覆す真の性能


YAMAHA
- クロスプレーンは乗っていて楽しいか
- 圧倒的に速い最高速と加速性能
- 意外と高いツーリング性能の評価
- 生産終了の噂と今後の見通し
- エンジン維持のための添加剤は必要か
クロスプレーンは乗っていて楽しいか


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MT-10の心臓部であるクロスプレーンエンジンがもたらすライディング体験は、「楽しい」という言葉で表現されることが非常に多いです。この楽しさの根源は、一般的な並列4気筒エンジンとは一線を画す、その独特のフィーリングにあります。
まず、不等間隔爆発が生み出す「鼓動感」が挙げられます。アイドリング時から聞こえる「ドロドロ」とした排気音と、回転上昇に伴って体に伝わるパルス感は、まるで生き物と対話しているかのような感覚を与えます。これは、滑らかに回るだけのエンジンにはない、機械的な面白さです。
次に、スロットル操作に対する「リニアなトルク応答性」が、操る楽しさを増幅させます。ライダーが右手で意図した分だけ、リアタイヤが路面を蹴り出す感覚がダイレクトに伝わるため、バイクとの一体感を強く感じられます。特にコーナーの立ち上がりでアクセルを開けていく場面では、このリニアリティが絶大な安心感と快感につながります。5000回転を超えたあたりから豹変する加速感も、ライダーを虜にする要因の一つです。
これらの要素が組み合わさることで、ただ速いだけでなく、乗り手の感性に訴えかける奥深いライディングプレジャーが生まれます。したがって、「クロスプレーンは乗っていて楽しいか」という問いに対しては、多くのライダーが肯定的な答えを出すでしょう。
圧倒的に速い最高速と加速性能


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MT-10の動力性能は、その見た目が示す通り、極めて高いレベルにあります。最高出力166PSという数値は、ネイキッドバイクとしてはトップクラスであり、その性能は公道で使い切ることが困難なほどです。
最高速については、リミッターが作動する速度域まで容易に到達するポテンシャルを持っていますが、MT-10の真骨頂はそこに至るまでの「加速性能」にあります。スーパースポーツYZF-R1のエンジンをストリート向けに最適化し、低中回転域のトルクを厚くしているため、どのギア、どの回転数からでもスロットルを捻れば、景色が歪むような強烈なダッシュを見せます。
特に、ヤマハのライドコントロールシステム(YRC)で最もアグレッシブなモードを選択した場合、少しラフにアクセルを開けるだけでフロントホイールが地面を離れそうになるほどの暴力的な加速を味わうことが可能です。この圧倒的なパワーは、6軸IMUを含む高度な電子制御によって巧みにコントロールされており、ライダーは過度な不安を感じることなく、安全にその速さを引き出すことができます。まさに「The King of MT」を名乗るにふさわしい、刺激的なパフォーマンスです。
意外と高いツーリング性能の評価


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ストリートファイターという攻撃的なカテゴリに属しながら、MT-10は意外にも高いツーリング性能を備えています。この二面性が、オーナーからの評価を高めている一因です。
快適なライディングポジション
まず、アップライトで幅が広すぎないハンドルポジションが、長距離走行時の疲労を大幅に軽減します。スーパースポーツのような厳しい前傾姿勢を強いられることがないため、リラックスした状態で景色を楽しみながら走ることが可能です。
クルーズコントロールの恩恵
標準装備されているクルーズコントロールは、特に高速道路での巡航において絶大な効果を発揮します。設定した速度を自動で維持してくれるため、右手首の負担から解放されます。単調な高速道路の移動が格段に楽になり、目的地に着いてからの体力を温存できるのは大きなメリットです。
拡張性の高い積載能力
前述の通り、標準状態での積載性は低いですが、ヤマハ純正のリアキャリアやトップケース、サイドケースといったツーリング用アクセサリーが豊富に用意されています。
これらを装着することで、キャンプツーリングなどの大量の荷物にも対応できる本格的なツアラーへと変貌させることが可能です。不人気とされるデザインも、フルパニア状態では逆にまとまりが良く見えるという声もあります。
これらの要素から、MT-10は週末のワインディングを楽しむだけでなく、ロングツーリングの相棒としても十分に活躍できる懐の深さを持ったバイクであると考えられます。
生産終了の噂と今後の見通し


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MT-10の将来について、「生産終了」というキーワードが取り沙汰されています。この噂の背景には、欧州で導入された新しい排出ガス規制「ユーロ5+(プラス)」が関係しています。
この規制は、従来の基準に加えて、触媒の劣化を監視する車載式故障診断装置(OBD2-2)の搭載を義務付けるものです。MT-10に搭載されているCP4エンジン(クロスプレーン4気筒)は、現行の仕様ではこのユーロ5+に対応していません。
実際に、同じエンジンを搭載するYZF-R1は、2025年モデル以降、欧州では公道仕様の販売が終了し、サーキット専用モデルのみとなっています。
この流れを受け、MT-10も欧州市場では2025年モデルが登場しておらず、生産終了となる可能性が非常に高い状況です。
日本国内での販売はどうなるか
日本の排出ガス規制は欧州と協調していますが、導入にはタイムラグがあります。そのため、日本国内向けには2026年10月末まで現行モデルの生産が継続可能です。
しかし、それを超えて販売を続けるには、エンジンや電子制御の大幅な改良が必要となり、そのコストを考えると、現行型での生産は終了すると見るのが自然でしょう。
したがって、クロスプレーン4気筒エンジンを搭載したMT-10の新車を手に入れるチャンスは、残りわずかであると言えます。購入を検討している方は、この状況を踏まえた上で、早めの決断が求められるかもしれません。
エンジン維持のための添加剤は必要か


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MT-10のような高性能エンジンを長く良好なコンディションで維持するために、燃料添加剤の使用を検討する方もいるかもしれません。結論から言うと、燃料添加剤は「必須」ではありませんが、使用することで一定の効果が期待できる場合があります。
燃料添加剤には、主に以下のような効果を謳う製品が多く見られます。
- 洗浄効果: インジェクターや吸気バルブ、燃焼室内部に堆積したカーボンやスラッジを除去する。
- 燃焼効率の向上: 燃料のオクタン価を向上させたり、燃焼を促進したりすることで、パワーやトルクの回復、燃費の改善を目指す。
- 防錆効果: 燃料タンク内の錆の発生を防ぐ。
MT-10はハイオクガソリン指定であり、元々清浄剤が含まれているため、定期的に走行している車両であれば、必ずしも添加剤を常用する必要はないと考えられます。しかし、走行距離が増えてきた車両や、エンジンの吹け上がりに若干の鈍さを感じるようになった場合には、洗浄系の添加剤を試してみる価値はあるでしょう。
使用する際は、製品に記載されている用法・用量を必ず守ることが大切です。過剰な使用は逆効果になる可能性もあります。あくまでコンディション維持のための一つの手段として、補助的に活用するのが賢明な付き合い方です。
結論:MT-10不人気でもおススメの人
この記事では、ヤマハMT-10が「不人気」と囁かれる理由から、その奥に秘められた真の性能と魅力までを多角的に解説してきました。



最後に、本記事の要点をまとめます。
- 不人気の最大の理由は独創的なフロントマスクのデザイン
- クロスプレーンエンジンは唯一無二の鼓動感と加速が魅力
- YZF-R1譲りのエンジンは圧倒的に速い
- 燃費性能はリッタークラスの中でも悪い部類
- 夏場や渋滞時のエンジン排熱はかなり熱い
- 航続距離は短くこまめな給油計画が必須
- シート下の積載性はほぼ皆無
- アップライトな姿勢とクルコンでツーリングは快適
- 純正オプションで本格的なツアラーにもなる
- SPモデルはオーリンズ製電子制御サスを装備
- ホンダやスズキのライバル車とは個性の方向性が異なる
- コストパフォーマンスではライバルに軍配が上がることも
- 欧州の排ガス規制により将来的な生産終了が濃厚
- 新車で購入できる期間は残りわずかの可能性
- デザインと燃費を受け入れられるなら最高の相棒になる
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