VFR800Fは乗りにくい?評判の真相と本当の魅力

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VFR800Fは乗りにくいのか?

ホンダが誇る孤高のV4エンジンを搭載したスポーツツアラー、VFR800F。その独特の存在感に惹かれながらも、「VFR800Fは乗りにくい」という評判を耳にして、購入をためらっている方もいるのではないでしょうか。

一部では不人気との声も聞かれますが、乗り心地や熱対策、ロングツーリングでの性能はどうなのか、気になる点は多いはずです。万が一、購入して後悔や失敗といった経験はしたくないものです。

また、VFR800Fのルーツとも言えるVFR800Rとの違いや、車体の軽量化の可能性についても知りたいところでしょう。この記事では、そうした疑問や不安を解消するため、様々な角度からVFR800Fの真実に迫ります。

いっしん

この記事を読めば、以下の点が明らかになります。

この記事でわかること
  • VFR800Fが「乗りにくい」と言われる具体的な理由
  • 実際のオーナーが語る乗り心地や性能の実態
  • 購入後に後悔しないためのチェックポイント
  • VFR800Fが本当にフィットするライダーのタイプ
目次

VFR800Fは乗りにくい?評判の真相を解説

Honda公式

このパートでは
  • なぜVFR800Fは不人気と言われるのか
  • 満足できる加速性能と最高速
  • ロングツーリングにおける快適性
  • 乗り心地はサス調整で改善できる
  • 購入後に後悔しないためのポイント

なぜVFR800Fは不人気と言われるのか

イメージ画像:当サイトにて作成

VFR800Fが「不人気」と言われることがありますが、これは正確には「乗り手を選ぶマニアックなバイク」と表現するのが適切かもしれません。実際に熱狂的なファンが存在する一方で、多くのライダーに受け入れられにくい側面も持っているのが事実です。

その最大の理由は、国産バイクで唯一無二の「V型4気筒エンジン」という個性にあります。直列4気筒のスムーズさや、2気筒の分かりやすい鼓動感とは異なり、V4エンジンは低回転域で独特のパルス感を持ち、不等間隔爆発に由来する癖を感じさせます。

この特性に慣れないうちは、特に発進や極低速走行でギクシャクすると感じやすく、これが「乗りにくい」という印象につながっています。

また、「スポーツツアラー」という立ち位置も、VFR800Fのキャラクターを少し複雑に見せている要因です。スーパースポーツのような先鋭的な速さや軽快さを求めるライダーにとっては物足りなく、快適性重視のツアラーを求めるライダーにとっては、やや前傾のポジションや車体の重さが気になるかもしれません。

このように、明確な個性が逆にターゲットを狭めてしまい、結果として「不人気」や「マニアック」という評価につながっていると考えられます。しかし、この唯一無二の乗り味こそがVFR800F最大の魅力であり、一度その世界に魅了されたライダーにとっては、他に代えがたい特別な一台となるのです。

満足できる加速性能と最高速

イメージ画像:当サイトにて作成

VFR800Fの加速性能と最高速は、公道で楽しむには十分すぎるほどのポテンシャルを秘めています。781ccのV4エンジンが生み出す最高出力は107馬力に達し、あらゆる速度域で力強い走りを提供します。

VFR800Fのエンジンが持つ最大の特徴は、低回転から高回転まで非常にフラットで扱いやすいトルク特性です。これにより、スロットルのオン・オフによる車体の姿勢変化が少なく、ライダーは安心してパワーを引き出すことができます。

街乗りやツーリングではジェントルな振る舞いを見せますが、一度アクセルを大きく開ければ、V4エンジン特有の咆哮とともに鋭い加速が始まります。

さらに、このバイクの加速を語る上で欠かせないのが、回転数に応じて作動バルブ数を切り替える「HYPER VTEC」機構です。

約6,700回転を境に2バルブから4バルブへと切り替わると、排気音は澄んだ高音へと変化し、そこからレッドゾーンまで一直線にパワーが伸びていきます。この切り替わりの瞬間は感覚的にもエキサイティングで、VFR800Fならではの官能的な加速感を味わえるでしょう。

最高速については、メーター読みで約190km/hでリミッターが作動するという情報があります。サーキット走行でもない限り、その性能を使い切る場面はほとんどありませんが、高速道路での追い越しや合流でも全くストレスを感じさせない、余裕のある動力性能を持っていると言えます。

ロングツーリングにおける快適性

イメージ画像:当サイトにて作成

VFR800Fは「スポーツツアラー」として、ロングツーリングで真価を発揮するバイクです。長距離を走る上でライダーの負担を軽減するための様々な工夫が凝らされており、非常に高い快適性を誇ります。

まず、空力性能に優れたフルカウルとスクリーンが、高速走行時の風圧を効果的に軽減してくれます。これにより、長時間の高速巡航でもライダーの疲労が蓄積しにくいです。240kgを超える車重も、ここではメリットとして機能します。どっしりとした安定感は横風にも強く、ライダーに大きな安心感を与えてくれます。

次に、航続距離の長さも特筆すべき点です。燃料タンク容量は21Lと大きく、燃費も良好です。ツーリングでの実燃費は20km/L以上を記録することが多く、計算上は一度の給油で400km以上を走行可能です。頻繁に給油ポイントを探す必要がないため、ツーリングの計画が立てやすく、精神的な余裕にもつながります。

さらに、標準装備の充実度も快適性に貢献しています。ETC車載器やグリップヒーターが標準で備わっているため、追加の投資なしで高速道路の利用や寒い時期のライディングを快適に行えます。

シートの出来も良く、多くのオーナーが「長距離でもお尻が痛くなりにくい」と評価しています。これらの要素が組み合わさることで、VFR800Fは1日に500kmを超えるような長距離移動も余裕でこなせる、優れたツアラーとなっているのです。

乗り心地はサス調整で改善できる

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VFR800Fの乗り心地は、納車されたままの初期設定では「硬い」と感じる方が多いようです。しかし、このバイクは前後サスペンションに調整機構を備えており、これを活用することで乗り心地を自分好みに大きく改善させることが可能です。

初期設定が硬めになっているのには理由があります。本来、このバイクはヨーロッパのアウトバーンのような高速域で、二人乗りや荷物のフル積載といった高負荷状態でも安定して走行できるよう設計されています。そのため、日本の一般的な道路を一人で走行する際には、サスペンションが硬すぎると感じられ、路面からの突き上げを強く拾ってしまうことがあります。

幸い、VFR800Fはフロント・リア共にスプリングの初期荷重(プリロード)と、サスペンションが伸びる際の抵抗力(伸び側減衰力)を調整できます。乗り心地を柔らかくしたい場合は、まず前後ともにプリロードと減衰力を最弱側に設定してみるのが良いでしょう。そこから少しずつ締め込んでいき、自分の体重や走り方に合った、最も快適に感じるポイントを探していく作業が大切です。

この調整を行うことで、路面への追従性が高まり、ギャップを乗り越える際の衝撃がしなやかに吸収されるようになります。結果として、乗り心地が格段に向上するだけでなく、バイクコントロールのしやすさや安心感も増します。サスペンション調整は少し手間がかかる作業ですが、VFR800Fが持つ本来の快適性を引き出すためには、避けて通れない重要なプロセスと言えるでしょう。

購入後に後悔しないためのポイント

イメージ画像:当サイトにて作成

VFR800Fの購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためには、このバイクが持つネガティブになりうる側面を事前にしっかりと理解しておくことが鍵となります。特に重要なポイントは、「車体の重さ」と「低回転域でのエンジンの癖」の2点です。

車両の取り回しと足つき

乾燥重量で240kgを超える車体は、スペックの数字以上に重く感じられることがあります。これは重心がやや高めに設定されていることも影響しており、特に駐車場での押し引きや、傾斜地での取り回しには相当な腕力と注意を要します。

また、シート高自体は極端に高くありませんが、車体の幅があるため、身長によっては足つきに不安を感じるかもしれません。立ちゴケのリスクは他のバイクより高いと認識しておくべきです。

低回転域の扱い

前述の通り、V4エンジンは2,000回転以下の極低速域ではスムーズさに欠け、ラフなクラッチ操作をすると簡単にエンストしてしまいます。特に渋滞路でのノロノロ運転や、狭い場所でのUターンなどでは、半クラッチを多用した繊細な操作が求められます。CB400SFのような教習車感覚で乗ると、その扱いにくさに戸惑う可能性が高いです。

これらの特性を理解するためには、カタログスペックを眺めるだけでは不十分です。可能であれば、レンタルバイクなどで実際に試乗し、取り回しの重さや低速走行の感覚を自分の体で確かめることを強くお勧めします。

VFR800Fは慣れれば最高の相棒になりますが、自分のスキルやバイクの使い方に合っているかを冷静に見極めることが、後悔しないための最も確実な方法です。

VFR800Fが乗りにくいと言われる理由と魅力

Honda公式

  • 夏場の熱対策は必要になるのか
  • 重さ対策としての軽量化は可能か
  • クイックシフターの利便性と評価
  • VFR800Fと800Rとの違いを考察
  • 比較されるライバル車は何がある?

夏場の熱対策は必要になるのか

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大型バイク、特にフルカウルのモデルに乗る上で、夏場のエンジン熱は多くのライダーが気にする点です。VFR800FのV4エンジンも例外ではなく、ある程度の熱は発生しますが、オーナーの評価を見ると「他の同クラスの大型バイクと比較して特別に熱いわけではない」という意見が多数を占めています。

ストップ&ゴーが続く都市部の渋滞路などでは、当然ながら水温が上昇し、ラジエーターファンが回って熱風を感じる場面はあります。特に右足首あたりに熱気が集中するという声もありますが、耐えられないほどの熱さで火傷するような心配は少ないようです。

むしろ、巡航速度で走行している際には、カウルがうまく熱を後方へ逃がしてくれるため、熱さを感じることはほとんどありません。薄手のジーンズなどでは熱を感じやすいかもしれませんが、しっかりとしたライディングパンツを着用していれば、大きな問題にはならないでしょう。

したがって、VFR800Fの熱対策については、過度に神経質になる必要はないと考えられます。もちろん、真夏の渋滞にはまるような状況が想定される場合は、こまめな水分補給など、ライダー自身の熱中症対策を万全にすることが何よりも大切です。

重さ対策としての軽量化は可能か

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VFR800Fの取り回しに苦労する一因である「重さ」について、軽量化は可能なのか気になる方もいるでしょう。結論から言うと、劇的な軽量化は難しいものの、パーツ交換によってある程度の効果は見込めます。

最も一般的で効果的な軽量化は、純正マフラーから社外の軽量なマフラーへ交換することです。純正マフラーは排ガス規制や騒音規制をクリアするために複雑な構造をしており、かなりの重量があります。

これをチタン製やカーボン製のスリップオンマフラー、あるいはフルエキゾーストシステムに交換することで、数kg単位の軽量化が期待できます。マフラーは車体の高い位置に装着されているため、軽量化による重心低下も相まって、取り回しや切り返しが軽快になる効果を感じられるはずです。

しかし、それ以上の大幅な軽量化は、コストや手間を考えると現実的ではありません。VFR800Fの重量は、頑丈なアルミツインチューブフレームや片持ち式のプロアームといった、高剛性な車体構成に由来する部分が大きいからです。

むしろ、この重さをネガティブな要素としてだけ捉えるのではなく、メリットとして理解することも重要です。前述の通り、240kgを超える車重は高速道路での走行安定性に大きく貢献し、ライダーに絶大な安心感をもたらします。取り回しの重さは慣れと工夫でカバーしつつ、走行中の安定性という恩恵を享受するのが、VFR800Fとの賢い付き合い方と言えるでしょう。

クイックシフターの利便性と評価

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VFR800Fには、オプションでクイックシフター(シフトアップ時のみ対応)を装着することが可能です。クイックシフターは、クラッチ操作やアクセルを戻す操作なしでシフトアップができるため、スポーティな走行をサポートし、長距離走行時の左手の疲労を軽減する便利な装備です。

実際に装着したユーザーからは、「セミオートマ感覚で楽に運転できる」といった肯定的な評価があります。特にツーリングにおいては、頻繁なシフトチェンジから解放されるメリットは大きいと感じられるでしょう。

一方で、「個人的には不要だった」という意見も存在します。その理由として、VFR800F自体のシフトフィールが非常に優れている点が挙げられます。もともとアクセルを少し戻すタイミングでシフトペダルに軽く触れるだけで、スコスコとスムーズに変速できてしまうため、クイックシフターの必要性を感じにくいというのです。

また、クイックシフターを装着するとシフトペダルが外側にオフセットされるため、足の小さいライダーにとっては操作しにくくなるというデメリットを指摘する声もありました。

このように、クイックシフターの評価はライダーの好みや使い方によって大きく分かれるようです。積極的にスポーツ走行を楽しみたい方や、少しでもライディングを快適にしたい方にとっては価値のあるオプションですが、VFR800F本来の優れた操作性を楽しみたい方にとっては、必ずしも必須の装備ではないと言えます。

VFR800Fと800Rとの違いを考察

イメージ画像:当サイトにて作成

「VFR800FとVFR800Rとの違い」について疑問を持つ方がいるかもしれませんが、まず前提として、ホンダのラインナップに「VFR800R」という市販モデルは公式には存在しません。この疑問は、おそらくVFRシリーズが持つ輝かしいレースの歴史、特に「R」の名を冠した伝説的なモデルのイメージから来ているものと推察されます。

ホンダのV4エンジンの歴史はレースと共にあり、その象徴的な存在が「VFR750R(型式名:RC30)」や、その後継機である「RVF(型式名:RC45)」です。

これらは、市販車レースで勝利することを使命として開発された、いわば「公道を走れるレーシングマシン」でした。チタンコンロッドなどの高価なパーツを惜しげもなく投入し、一切の妥協なく速さを追求したこれらの「R」モデルは、今なお多くのバイクファンの憧れの的です。

一方で、現代のVFR800Fは、そのレーシングスピリットの遺伝子を受け継ぎながらも、全く異なるコンセプトで開発されました。開発コンセプトは「大人のスポーツバイク 〜Elegant Sport〜」。速さを追求するだけでなく、ロングツーリングでの快適性や日常での扱いやすさを高い次元でバランスさせた「スポーツツアラー」です。

つまり、VFR800Fは、かつての「R」モデルのような純粋なスーパースポーツではありません。しかし、その走りの中には、高剛性なフレームやV4エンジンがもたらす正確無比な操縦性など、レースで培われたホンダのDNAが確かに息づいています。VFR800Fは、過激さを削ぎ落とし、大人が楽しめる上質さと快適さをまとった、現代におけるVFRの理想形と言えるでしょう。

比較されるライバル車は何がある?

VFR800Fを検討する際に、比較対象となるライバル車にはどのようなモデルがあるのでしょうか。同じ「スポーツツアラー」というカテゴリーで、コンセプトや排気量が近いモデルが主な候補となります。

車種名メーカーエンジン形式特徴
VFR800Fホンダ水冷4ストV型4気筒唯一無二のV4エンジン。上質で安定感のある走り。
Ninja 1000SXカワサキ水冷4スト並列4気筒よりスポーティな性格。電子制御が豊富で先進的。
TRACER9 GTヤマハ水冷4スト並列3気筒アドベンチャー色が強く、アップライトなポジション。
F900XRBMW水冷4スト並列2気筒軽量で軽快なハンドリング。長距離もこなす。

カワサキ Ninja 1000SX

最も直接的なライバルと言えるのがNinja 1000SXです。パワフルな並列4気筒エンジンと、クルーズコントロールをはじめとする豊富な電子制御デバイスが魅力で、VFR800Fよりもスポーティな走りを好むライダーに支持されています。

ヤマハ TRACER9 GT

クロスプレーン思想の並列3気筒エンジンを搭載し、よりアドベンチャーバイクに近いキャラクターを持つのがTRACER9 GTです。アップライトなライディングポジションと軽量な車体で、ワインディングでの軽快感に優れています。

これらのライバル車と比較した際のVFR800Fの最大の魅力は、やはり他では味わえないV4エンジンのフィーリングと、レースの血統を感じさせる上質な走りの質感にあります。最新の電子制御満載のバイクとは一線を画す、操る楽しさと所有する満足感を重視するライダーにとって、VFR800Fは依然として魅力的な選択肢であり続けています。

VFR800Fは乗りにくい?どんな人におススメか

この記事で解説してきたVFR800Fの特性を踏まえ、どのようなバイクなのか、そしてどんな人にお勧めできるのかをまとめます

  • VFR800Fは「乗りにくい」のではなく「乗り手を選ぶ」バイク
  • 国産唯一のV4エンジンは独特のフィーリングを持つ
  • 低回転域の扱いやエンストしやすさには慣れが必要
  • 240kgを超える車重は取り回しで特に重く感じる
  • 重心が高めなため立ちゴケには注意が求められる
  • 一度走り出せば重さは安定感に変わり、高速走行は非常に快適
  • 優れた防風性能と大容量タンクでロングツーリング適性は極めて高い
  • HYPER VTECによる加速は官能的でVFRならではの魅力
  • 初期設定のサスペンションは硬いが調整で快適な乗り心地を実現できる
  • 熱量は他の大型バイクと大差なく過度な心配は不要
  • 購入前には必ず試乗し、重さと低速の癖を確認することが後悔しない鍵
  • レースの血統を感じさせる上質な作り込みと所有感
  • 最新の電子制御に頼らず、バイクを操る楽しさを味わいたい人向け
  • 他の人とは違う、個性的なバイクに長く乗りたい人におススメ
  • VFR800Fは、じっくりと向き合うことで最高の相棒になる一台
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